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2011/12/25 第10回演奏会は終了しました。1,300名を超えるご来場、ありがとうございました。次回の演奏会は未定です。決まりしだい、お知らせいたします。

マーラー第6交響曲 打楽器紹介

このコラムは、本番直前に第6回演奏会の打楽器奏者mameさんが書かれた打楽器紹介です。

打楽器紹介

それでは、1月5日本番を迎えます、オストメールのマーラー交響曲第6番公演の予告編と致しまして、今回使用する打楽器についてご紹介致します。 各パート一ひねり以上は加えたと思いますので、是非ご期待ください。

ハンマー

ハンマーその1 ハンマーその2

マーラー交響曲第6番の打楽器と言えば、まず目立つのがこのハンマーです。 金属的でない音との指示があるため、木によるものがほとんどだと思います。 今回は1年間の構想の結果、以下のような構造になりました。 (本日装飾が完成しましたので、見た目も非常にアグレッシブになっています。ご期待ください。上記写真では装飾前のものです)

まずはハンマー部分。 ハンマー部分に必要な要素は2点です。 1点は打楽器としてのバチの役割、もう1点はマーラーが示した象徴としての役割です。 つまり、マーラーとしては音よりも見た目を重視していたことが伺われます。 マーラーが初演した時のハンマーの位置がオーケストラで最も高い場所にあったそうなので余程重視していたことが解ります。 しかし、音楽の中で、音としても重要であると考えるので、出来るだけ短時間に響くことのできるように志向しました。 音として響かせるためには、重すぎてもコントロールが出来なくなるのでダメですし、軽すぎてもインパクトが少ないと言うことがあります。 また、打面が小さいと打たれるものをより頑丈にしないといけません。 たくさんの剱山の上に乗っても平気ですが、一本の針の上に乗ると刺さるようなものです。 また、見た目もかなり重要となるため頭部の大きさも欲しいところです(日本人がハンマーというとシティハンターに出てくる100tハンマーのようなものが理想ですよね)。

以上の考察により至った答えは、ハンマーの頭部を「和太鼓」にするというものです。 和太鼓は理想的なハンマー頭部の形に幾分似ていますし、中が空洞ということで、響きにも期待できる、また重さも調節可能、という利点があります(但し、打つようには作られていないというデメリットもあります)。 そして、この和太鼓に柄をつけなければなりませんが、柄は実打可能なバットにしました。 バットなら振りかぶるように出来ているので、グリップも安定していますしね。 長さはある程度の長さが欲しいため1メートルの長尺バットを改造しました。 実際に演奏してみると、和太鼓の縁は実は叩けるような構造になっており、強打してもある程度の強度があることが判明しました(一発目でヒビは入りましたがその後増殖には至っていません)。

次にハンマー台です。 ハンマーの音を聞かせようとするときに、何を打つかと言うのがとても重要になってきます。 打つものによって全く響かない音になったり、軽い音になったりするからです。 古いホールでやるときは、セリがある程度響くのでそれを利用してもいいですが、今回は芸術文化センターのコンサートホールということで、舞台が全く響かない構造のため、共鳴体を表に出すことを考えました。 金属的でない音で共鳴体を作ろうとすると、通常は木箱を創作し打つというのが一般的な発想だと思います。 しかし、響く木箱を作るためには、楽器製作のアマチュアでは不可能であるとの考えに至り、「既存の楽器を利用する」ということに思い至りました。 既存の楽器で思いつくのがバスドラムです。 バスドラムを共鳴体とすれば、かなりの響きを期待できるからです。 今回は、ハンマーの打面の大きさのことも考慮して、ドラムセットのバスドラムを利用しました。 あまり大きなバスドラムを使用すると、打面がすぐに破壊される危険性が高くなるからです。 バスドラムの一面をはずし、一面を下にして足をつけ、上部に木の板を設置しました。 こうすることで、共鳴体を表に出し、低い調節可能な音を出すことが出来るようになりました。 コンサートホールでの実演はまだしていませんのでなんとも言えませんが、かなりの音を実現できたと思っています。

奏法ですが、ハンマー頭部の中身は空洞であると言っても、結構な重さとなっています。 そのため、タイミングを合わせることが難しくなるために振りかぶっての演奏は控え、頭の上で一旦停止して振り下ろすように演奏する予定です。 以上ハンマーでした。

カウベル

カウベル

カウベルは高い音、低い音、重なる音、ばらばらの音を表現する必要があります。 そのため数が重要と考え20個弱のカウベルを集めました。 それを2〜3セットに振り分け、舞台上手、下手、あるいは上部(舞台での実験で決定する予定です)からステレオで演奏します。 カウベルは木の棒からぶら下げるように据付、それを上下左右に振ることで演奏します。 牛の様子を模倣するために歩きながらの演奏となる予定です。

低音の鐘

低音の鐘

低音の鐘はマーラーがどのようなものを構想したのか不明であるために、どのようなものにするか悩むところです。 韓国の伝統楽器である編鐘もイメージしました。 今回は数個の鉄の筒を鉄アレイで打ちつけて音を出すようにしました。 遠くから鐘がなっている様子が表現できると思います。

ティンパニ

ティンパニ

ティンパニは2セット必要で、今回は7台を使用します。 木のバチなどの色々な指示があるために指示通り木のバチを使う予定です。

大太鼓

大太鼓 鞭(ルーテ)

大太鼓は、ティンパニを補助する動きや響きを重視する動きが多くなるため、今回は普通の縦置きではなく、打面を地面と並行にする設置としました。 打面を並行にすることで、バチの細かな動きにも対応できるようになります。 また響きも一段と深くなります。 細かい動きには柔軟にミュートをするなどしています。 打面が通常より高くなるために、奏者は指揮台に乗って演奏します。 第二の指揮者とよく言いますが、本当に指揮台に乗りますのでそこも要チェックです。

また、鞭(ルーテ)での演奏箇所が1楽章と4楽章にあります。 これは木の枝を束ねてばらばらにしたようなバチで叩きます。 今回はドラム用の木ブラシを三本束ねたものを使用します。

シンバル

シンバル

シンバルも要所で全体を引っ張っていくところが多くとても重要なパートです。 また、場所によって吊るしシンバルとの持ち替えも多くあります。 複数シンバルというのが4楽章にあり、今回は5人で演奏する予定となっています。

トライアングル

トライアングル

トライアングルも表現力を求められる使われ方をしています。 木管のスラーに合わせての連打や、細かい音符も多くできるだけはっきりと演奏したいために単打(上下に当てつけず一回一回打つ奏法)でできるところは演奏する予定です。 また、一楽章の終わりは複数との指示があるため、総勢8個の楽器で演奏します。 但し五人で演奏するため、3人は2つずつ持って演奏します。 トライアングルの乱打にご期待ください。

小太鼓

小太鼓は悲劇的は重い音色を出すために通常の2倍程度の大きさのバチで演奏します。 また、最後部のロールでミュートの箇所は黒い布で覆った特製小太鼓で演奏する予定です。

以上今回のマーラーの打楽器紹介でした。 どうぞ5日よろしくお願いいたします。