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2011/12/25 第10回演奏会は終了しました。1,300名を超えるご来場、ありがとうございました。次回の演奏会は未定です。決まりしだい、お知らせいたします。

第6回演奏会 チラシより

この文章は、当団顧問である西村先生に寄せていただいたものです。 第6回演奏会のチラシに掲載されました。

小川典子さんと巡り会えた幸せ...マーラーが演奏できる幸せ...

オスフィル・東海学園交響楽団顧問 西村尚登

東海学園交響楽団のOBオケは、オストメール・フィルハーモニカーが正式名称です。 これはウィーンフィルのオッテンザマー氏が名づけ親で、ドイツ語で「東海交響楽団」の意味です。 メール(海)というのは、おそらくフランス語のメール(海)と同じ語源の単語だと思われますが、オッテンザマー氏はオーストリア出身なので、北部ドイツ語のゼーではなくて南部ドイツ語のメールを選んでくださったのでしょう。 しかし、私たち俗人は、省略してオスフィルと呼んでしまっているのですが、これがまた、オスばかりのオーケストラの本質をついており、いやはやなんともピッタシということになっているのです。 もちろん性差別からこのオケを男性ばかりの集団にしているのではありません。 このOBオケの母体が、男子校のオーケストラにあることは、みなさんもご存知のとおりです。 男ばかりで、むさくるしいのですが、中にいる者にはまことに居心地のいい集団なのです。 110周年の指揮者である井上道義氏は、感に堪えたようすで、「本当に男ばかりなんだ」と叫ばれたのを今でも思い出すことがあります。 東海学園交響楽団の創立20周年に、マーラーの10番の全曲版を名古屋初演したときに、コンサートマスターの高橋広が、ハープ奏者まで男性にこだわり、東京から山崎氏をお招きして、男ばかりのオーケストラでその全曲演奏をおこなったのを記憶している方もおられるでしょう。 しかし、顧問の私としては、男子校の教師であるとはいえ、あまりの男性主義はややもすると“危険”であると察知し、第4回演奏会は女性のソリストをお迎えすることを強く主張しました。 その結果、情熱的で知的な小川典子さんと競演していただけることになったのです。 そして、その小川さんは3回連続して当楽団に客演くださることになったわけです。 ブラームスのピアノ協奏曲第1番、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、そして今回のショスタコーヴィチのピアノ協奏曲第1番です。 なんというご縁でしょう。 オスばかりのオーケストラに、才媛のピアニストが3度も登場くださるとは!  小川さんは、頭の回転が速く、気働きをよくされ、キップのよさは、男もかないません。 そのダイナミックなピアノのタッチは、聴くものをグイグイ引き込む力があります。 お住まいのある川崎市では、自閉症の家族ための演奏活動などをされ川崎市民からも高い評価を受けておられます。 さらにはミューザ川崎の音楽監督として活躍しておられます。 2度ほど私もミューザ川崎に足を運び、2度とも生きている喜びを深く実感することができました。 田部京子さんとのピアノ・デュオのシューベルト「幻想曲」には強い感動を覚えました。 田部さんの繊細なタッチと小川さんの輪郭のはっきりとしたタッチが絶妙に溶け合い、至福のときを過ごしました。 また、聴覚障害のあるエヴェリン・グレニーさんとのコラボレーションは、小川さんの彼女に対する共感とグレニーさんのメリハリの効いた心を揺さぶるパーカッションが秀逸でした。 このように、小川さんは、プロデューサーとしても演出家としても優れています。 今回、その小川さんの提案でショスタコーヴィチのピアノ協奏曲を共演できることは、望外の幸せであり、とても貴重な機会だと思っております。

さて、メインのマーラーの6番のことについても触れなくてはなりません。 当楽団のメンバーのマーラー狂いは留まることをしりません。 このあたりのオケと組んで全曲演奏などという企画についても触れたことがありました。 今回は交響曲6番を取り上げることになりましたが、毎月1度拙宅で行っているオスフィル事務局会議で、6番の話が出るや、参加していたメンバーは狂喜乱舞し、たちまちぜひやろうやろうということになってしまいました。 彼らの目は血走り、やる気のオーラが全身にみなぎり、われらがマエストロ角田の眦もきりっと切り裂かれたのでした。 マーラーがアルマに命を賭けたのと同じように、彼らはマーラーに命を賭けていることを決意したのです。 したがって、その迸るような演奏が今からでも目に浮かび、耳に聞こえてきます。 ぜひ、みなさん、ふるってご来場ください。